ガールズアンドパンツァー Wiki
Advertisement
ガールズアンドパンツァー Wiki

89式中戦車は、当初機関銃殲滅を目的として製造された戦車であったため、主砲は対戦車用の大型砲塔ではなく短砲身であった。また、砲塔を回す際は人力で回さなければならず、砲塔の種類は「試作型」「旧型」「新型」の3種類に分類される。

照準機の射程距離は500m前後までで固定目標限定であったが、左右の調整と高低の調整は、全範囲に当たって砲手が肩付操作で行う仕様になっていたため、ハンドル操作よりも照準を合わせるのが早く、右手を使って装填も同時に行うことができるため連射も可能であった。さらに、徐行中であれば行進間射撃もすることができた。

榴弾に関しては、弾薬炸裂量は標準より多めに設定されており、威力がかなり重視された設計になっている。これらは、同時期に開発された91式手榴弾の2~4倍ほどの炸裂量である。

このように、89式中戦車は比較的火力を重視して製造されていたため、初陣となった満州事変後、中国大陸における戦闘の際攻撃力がネックポイントとして認識されることはなかった。それよりも、89式中戦車への不満は、その低い機動力にあった。これは、中国大陸における戦闘のほとんどが「追撃型」の戦闘だったからである。89式中戦車は、平常時では時速25kmほどで走行できる設計になっていたが、悪路や路外ではその性能を発揮することができず、時速8~12kmほどになってしまった。なお、この反省は95式軽戦車の開発につながっている。

Advertisement